骨盤がグラグラする感じ2 ~つづき~

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<前回からのつづき>
産後、骨盤の不安定感が消えず小走りになるとグラグラするのでなんとかして欲しいとのご依頼があり拝見してみると、左腰部から左殿部にコリを発見。コリをゆるめて、立ち上がって小走りしていただくと・・・

お客様:『あ、大丈夫だ。もう治った。すごいですね、骨盤矯正!』
とうせんきょう:『いえいえ、骨盤矯正してませんし・・・』
お客様:『????』
でキョトンとされた表情のお客様。
ここまでが前回までのお話。

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まぁ、そうなるだろうなと思う反応を見せて頂いたお客様にご説明。そもそも【骨盤】の不具合は【骨盤矯正】に!という安直な考え方が広まっていることがオカシな話なんですね。開いた骨盤が閉じるのに多少の時間がかかったとしても2ヶ月も3ヶ月も骨盤が不安定で赤ちゃんがお腹に居ないのに産道が開いている状態だなんてあり得ないということです。

お客様的な感覚からすれば、産後から骨盤の不安定感が続いているため「骨盤が開いた状態でキチッと元に戻ってない・・・」と不安に感じること自体は自然な考え方だと思います。

しかし、普通に考えてどうでしょう?赤ちゃんがお腹にいないのに骨盤が開いた(産道が開いた)状態はカラダにとって意味がありますか?

実は、出産において「なるほど、良くできているなぁ」というカラダの不思議な機能が働いています。少し解説しましょうね。

① 赤ちゃんが生まれるときに陣痛が起きますよね。これは「オキシトシン」というホルモンの作用で、子宮筋が収縮をするのです。つまり、お腹の中の赤ちゃんを体外へ押し出す働きをしています。(「ところてん」や「水鉄砲」の押す力をご想像ください)

② 産道が開き、赤ちゃんが体外に出てきます。これは妊娠から出産時に分泌される「リラキシン」というホルモンの作用で出産時に出口を広げる働きがあります。つまり、アダブカタブラと魔法の呪文を唱えて秘密の扉が開いた状態ですね。

この2つの女性ホルモンの働きによってお母さんのお腹の中から外に出て、生まれてくるのです。このとき、赤ちゃん側でもお母さんの手助けをします。赤ちゃんの頭は産道を通り抜けやすいように、また、母体に負担がかからないように、まだ柔らかい状態なのです。

実際に頭蓋骨は1つの骨ではなく、いくつかの骨がツギハギのようになって出来ています。生まれて来るときには骨のつなぎ目が柔らかいため、産道で引っかからないような仕組みになっているのですね。生まれてきてから頭蓋骨が固まっていきます。

ここで失敗??をしてしまうと、頭が丸い形にならず、「絶壁」と呼ばれる後頭部になったりします。頭蓋骨が柔らかいからこそ、のことですね。

さて、このホルモンの作用に戻りますが出産時に一時的に働くホルモンで、常時働いているわけではありません。アダブカタブラと魔法の呪文を唱えると一時的に、秘密の扉が閉じない状態をつくることが出来ます。しかし、それは扉を開いて開きっ放しにする作用はないのです。したがって、要件が終われば時間とともに骨盤も産道も扉は閉じていきます。ただ、それが2ヶ月も3ヶ月もかからない、ということです。

ここにおいて、「骨盤の開き」と「不安定さの持続」はあまり関連していないと考えるのが最善です。では、何が問題か?赤ちゃんが急にお腹から居なくなって、母体の体重バランスが崩れたことが問題なわけです。

お腹に赤ちゃんがいる時は前のめりになっているわけです。前に倒れないように、お母さんは後ろに体重をかけながら生活をしています。その赤ちゃんが出産によって居なくなれば、前にかかる重みが「急に」消えるわけですね。お母さん的には、後ろにある重心を「急に」変えることはできません。それは十月十日かけて徐々に作られた重心変化だからです。

後ろに重心があるということは、後部にある筋肉が前に倒れないように綱引きのように引っ張っている状態に他なりません。したがって、腰部~殿部~太腿~下腿にかけての筋肉の張りが強い状態です。この前後バランスの崩れこそが、不安定感やグラグラ感を出す本当の要因なのですね。

仕組みさえ分かってしまえば、あとは凝った筋肉をほぐすだけです。実際に、腰部と殿部の筋肉をほぐしてグラグラ感が改善したお客様にとっては【骨盤矯正】でなくても良いわけですし、むしろ、歪んでもいない骨盤を矯正すること自体が危険な行為に相当します。【骨盤矯正】とひと口に言っても原因を特定せずに対処するのは早合点になりかねません。アナタのお友達にもお伝えくださいね。

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