待てば海路の日和あり

待てば海路の日和あり

ウチの父親は定年退職後の現在、悠々自適にゴルフ生活を堪能しています。毎朝、ゴルフ練習場へ出かけては楽しく打ちっぱなしをし、週末にはコースに出て、その成果を確かめています。しかし、最近では腰が痛くて思うようにスイング出来ず、成績もイマイチのようです。もともと持病として、腰痛を持っている父親ですが最近は体重の増加もあって、さらに腰へ負担がかかっているようです。ソファーで長く座っていたあと、立ち上がる際に痛かったり、朝起きぬけに腰が痛かったり、運転中の座席で腰が痛かったりと生活のあらゆる場面で腰痛が気になっています。

医療に従事している私からすれば、明らかに【首が原因で腰が痛くなっている】と分かってはいますが、短気で頑固な父からすれば、【腰の痛みは腰のモノ】と思っているようで「お~い、腰もんで~」などと頼まれては、腰を触らざるを得ません。と言っても、腰を触らせてもらえるのは、まだ良い方なんです。開業当初は、自分の息子が提供する施術や治療がどんな内容のものなのか理解と信用が得られていなかったためどんなに腰が痛くても、触らせてもらえなかったわけですから・・・。腰を触らせてもらえるようになったのは、ようやく半年くらい前。それでも当初はマッサージ屋のような扱いで腰を治療してました。

治療して数日は腰痛が緩和していても、しばらく日数が経過するとまた腰痛が戻ってきます。長年にわたり持病のように痛めている腰の状況に父親は「仕方なし」の表情。私にしてみれば「違うんだけどなぁ・・・」とジレンマ。言ってもなかなか聞いてくれない頑固な父親なので童話「北風と太陽」の要領で、待つことにしました。とにかく、待ちました。マッサージ屋の扱いを受けていても、何を言われても待ちました。父親の気が変わるまで・・・。

待てば海路の日和あり、とは言ったものです。ある日、肩コリがひどくて「お~い、ちょっと肩痛いから、肩コリ取ってくれ」と父親が訴えてきたのです。無論、これまでも父親の肩コリ・腰痛を治療してきてわけですが、いつものように肩コリを解消した、その『ついでに』今回はおまけで肩コリが戻ってこないように首を矯正しておくよ、と提案しました。「じゃあ、ついでに・・・」みたいなノリだったので、ここぞとばかりに首を矯正。翌々日、ゴルフコースに出かけた父親が「なんかものすごく久々に、スコアが良かった。これって矯正したせいか?」みたいなことを冗談半分に言っているのを聞き、押さば引けで、半分スルーで聞き流し。「じゃあ、試しにやってみる?」と父親に促すと渋々の表情で、首の矯正を承諾。

短気な父親なので、とにかく手際良く(肩も腰も触らず)パパッと首の矯正だけ。で、明けて翌日、入ってきたメールが上の写真。どうやら2回かそこらの矯正治療で変化が出てきた様子。なんとなく、首の矯正をすると腰痛が緩和すると思い始めたのか、昨日はすんなり首の矯正を承諾。いつもなら、ゴルフの練習をして帰ってくると腰が痛くてしんどそうにしているのですが・・・今朝は、父親自らが「昨日あれだけゴルフの練習をしてきたのに腰が痛くない」と言い出したのです。

ようやく報われた気がします。自分の身内に貢献できずに、他人様に貢献できるわけもありません。父親への矯正治療はまだまだ続くわけですが、私の仕事に対して父親から理解が得られたことは今後の大きな励みになります。ようやく1つ親孝行が出来たようで、正直嬉しい限りです。紆余曲折ありましたが、これまで父が外で働き、母が内で支えてきてくれたからこそ今の私があるわけで、仕事をさせてもらえるのも『おかげさま』です。せめて父親には、退職後は好きなゴルフに明け暮れて楽しく余生を過ごして欲しいわけです。腰の痛みにさいなまれることなく!

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