すべり症を理解し、直すということ

すべり症

治療に通われているお客様からの質問でした。知り合いに『すべり症』を患っている方がいるようでどこの病院でも、このまま行けば手術だと言われているそうです。そこで、すべり症とはどんな状態なのか、気になったようで質問を頂きました。

一般に、『腰骨が【前】にすべった状態』だと広く認知されています。容姿で言うと・・・でっちり。おしりが後方へ突き出して、お腹が前に入った状態です。腰骨の配列カーブが崩れて、階段状になっているため腰にかかる負担がジグザグになり、支えが利かないことから腰痛を起こすと理解されています。

しかし、とうせんきょうでは「すべり症」に対して、この考え方を採用していません。事故ならともかく、日常生活の中で腰が前にすべる理由がないのです。どういうことか?というと・・・すべり症とは、腰骨が【後ろ】へすべった状態にあるというのがホントのところだからです。前にすべっていると考えがちな骨を見るのではなくその下の骨が後ろにすべっていると見方を変えるのがポイント。つまり、焦点を変えるのです。

例えにしたがって焦点を変える体験をしてみましょう。上図を見ていただくと、昆虫がたくさんいるのがわかりますね。一見すると、テントウムシ、カナブン、アリなどが無造作に描かれています。が、視点を変えてもう一度見直してみると・・・なんと、ミッキーマウスが見えてきます。ミッキーが見え始めたら、もうミッキーしか見えなくなるくらい焦点がそこに定まってしまいますね。

すべり症も同じで見方の違いによってどこの骨がすべって段差をつくっているのかが異なります。一般に認識されているすべり症は前にすべっている骨を注視している状態だということなのです。ところが、今の例のように視点を変えてみると、その下の骨が後ろに回転していると見てもすべり症としての絵が同じになるのはお分かりのはずです。
「すべる」と言われるとすべり台のように傾斜した場所では、高いところから低いところへ滑るのが重力に伴う自然の摂理です。

腰骨も傾斜があります。カーブがあるがゆえに椎間板部は後方から前方への傾斜が確認できます。だから、骨は後ろから前にすべりがちだ、と考えているようですが違います。そもそも、骨同士は関節によってすべらないように連結しているので、すべりません。もし、関節が高いところから低いところへストンと簡単にすべって動いてしまうなら、四足歩行の動物の背骨はどうなってしまいますか?重力に導かれてジグザグになってしまうでしょう。犬も猫もその他の動物も日常生活をしている限りでは重力という自然の力によって背骨の配列が乱れることはありません。なぜなら、その姿勢に重力耐性が自然と身についているからです。

一方、ヒトはと言うと・・・自然の力に逆らった動きをします。テレビを見るときソファーにダラ~ッと背中と腰を丸めて座ります。デスクワークだってPCに向かって前のめり。電車で座っている乱れた姿勢の学生の姿を思い浮かべてみてください。背中を丸め、腰を丸め、長時間・長期間にわたって猫背・だるま腰もいいところ。自然の摂理に従った姿勢をしていれば、骨に不必要な負荷がかかることはなく、むしろ衝撃と負荷を吸収・緩衝してくれるバネ作用をもつ骨。

しかし、前カーブを持つ腰が丸々と後ろカーブになるために、骨が前から押し出されるように後方へ後方へと移動する力が発生するのです。これによって関節部が乱れて、骨が後方へ傾斜することになるのです。普通に考えて、姿勢の正しい・腰痛もちの人はいませんね。腰痛の基本は、背中を丸めて腰を丸めてしまうところにあります。背中よりも腰を丸める方が、骨の自然なカーブを損ねる振れ幅が大きいため姿勢を安定させる必要から腰骨と腰周辺の筋肉に負荷がかかるというわけです。

したがって、すべり症は前に腰がすべるのではなく、後ろに腰が落ちている状態によって作られた姿勢不良なのです。前方にすべっていると考えた場合は、すべり症は直りません。しかし、後方にすべっていると考えた場合、すべり症は骨格矯正治療によって、「直ります!」後方へすべった腰骨を、前方に送り出すだけなのですから。

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