横向き寝の弊害 ~その2~

『猫背』ですが、背中の丸い外観よりも内臓機能障害を起こす危険がある

~ 前回までの流れ ~

『猫背』が気になる高校1年生のお客様がご来店。特に【痛み】に関するお困りの症状はなく、猫背がゆえに、姿勢の悪さが目立ち、ひたすら周囲の目が気になる現状を解消したいとのこと。問診を終えて、実際に『猫背』を拝見することに。鏡に向かってまっすぐ座っていただいた姿勢を確認すると肩の位置の不自然さが目に留まります。左肩の肩幅が右肩と比べて狭く内側へ巻き込んだ形になっています。どうやらお客様もお母様もご存知なかったようです。ここまでが前回のお話。

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とうせんきょう:「もしかして普段寝るときって、左を下にして横を向いて寝てたする?」
お客様:「何でわかるんですか?」
とうせんきょう:「左肩の肩幅が短いし、首元を触わらせてもらったときに左側にひっかかり感があったからね。」
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寝方には①上向き ②横向き ③下向きの3種類があります。正しい寝方は①の上向きです。②横向きと③下向きは、身体を休めるのに不適な形です。特に③の下向きは、自らの体重で肺を圧迫してしまうため、睡眠中の呼吸環境が酸素供給量減少の点から良くありません。また、②の横向きは下向きよりもマシではありますが猫背と手のしびれを生み出す元凶になる寝方でよくありません。

実際に、高校生のお客様の肩をご覧いただければ一目瞭然ですね。左右どちらかを下にして横を向いて寝るわけですが、そこに自分の体重が重力方向に加わるために、肩を丸めて支えるしかないのです。何気なく寝ている横向き寝ですが知らず知らずのうちに5年も10年も寝ていれば肩に型がついてしまうように変形をしてしまいます。肩が内巻きに中央へ入り込み、背中が丸くなってしまうわけですね。

その点、①の上向き寝ならば、肺が圧迫されて呼吸環境に不都合なこともなく、また、肩や背中を丸めず伸ばしたまま熟睡をすることができます。とは言え、上向きで寝られないから仕方なしに横や下を向いて寝てしまうところに本当の問題があります。いずれにせよ、横向き寝は将来的に多くの弊害を身体にもたらす危険性があります。

危険①:猫背による姿勢崩れと内臓機能障害
危険②:手指につながる神経経路の圧迫による麻痺としびれ

お客様とお母様にここまでお伝えして、猫背をさらに拝見。横から姿勢を確認すると見事な猫背…。ベッドに下向きで寝て頂くと見るからに背部が盛り上がり触れてみると柔軟性がなくしなりが失われた状態。実際に触っていくと、首~肩~背中~腰~臀部~太もも~ふくらはぎのどこを触っても【痛み】があるのです。自覚症状としての痛みはないようですが、触って痛く感じるようなら警告ランプ点滅です。

お伺いすると、授業中に板書をする姿勢は机にべったりする感じとのこと。それ以外にも、食事中の姿勢やテレビを見ている姿勢など両親が見ていても【良くない】姿勢だそうで注意するものの直らず。そのまま放置…。

そしてある日、学校の友達から何気なく「○○ちゃん、姿勢悪いよね、めっちゃ猫背やし・・・」みたいなことを言われて、はたと気づいて大ショックだったことから姿勢の悪さを悩むようになったそうです。

今回のご来店では、ご相談が目的のようでしたので猫背の矯正治療をご提案することは差し控えました。成長期に入っている年齢とタイミングを考慮して猫背解消のストレッチ伝授することにし、寝方の改善を習慣づけることで骨の自家矯正を促すことにしたわけです。

まだ【骨のつくり】が途中の子供なので可能なことですが、これが大人だったら骨格が定まってしまっているため外力を用いて矯正をしないとなかなか正しく変化はしません。「正しく変化はしない」は悪化しないという意味ではありません。姿勢がいったん崩れだすと、正しい方向へ変化するどころか「悪く変化する」=「姿勢の老化」を起こすことになります。姿勢が老化するに伴い、カラダへの負荷が増加し症状となって表面化してきます。

たかが『横向き寝』、たかが『猫背』ですが、背中の丸い外観よりも内臓機能障害を起こす危険があるので要注意です。

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